身体の動きは筋肉の収縮によって起こされます。
身体の健康づくりの基本は筋肉を収縮させる事といえます。
人間の身体にはたくさんの筋肉がありますが、それらは3つに大別されます。
第1は、手や足や胴体などを動かす筋肉です。
この筋肉は骨についており、身体の肉付きとなっているので「骨格筋」と呼ばれます。
第2は、内臓や血管の壁についている筋肉で「平滑筋」あるいは「内臓筋」と呼ばれます。
第3は、心臓の壁をつくっている筋肉で「心筋」と呼ばれます。
骨格筋は自分の意志で動かすことができますが、内臓筋と心筋は自分の意志で動かすことはできません。
健康づくりのために身体を動かすときには、骨格筋が原動力となって働きます。
ですから、筋肉トレーニングは通常 骨格筋の強化をさしています。
筋肉は細長い細胞が寄り集まってできています。
その細胞は「筋線維」と呼ばれています。
筋繊維の中で加齢によって衰えるのが瞬発的な力を出す白筋(別名:速筋線維)です。
高齢者の場合、ゆっくり歩くことはできますが、
素早く動けない、つまづいたりものにぶつかったりすると即座に対応できずに転んでしまうのも、
加齢に伴って進行する速筋線維の衰えです。
高齢者のトレーニングでは、速筋線維を鍛えて筋力低下を防ぐことが重要になってきます。
人間の身体で土台となるのは「骨格」と「筋肉」です。
残念ながら年齢とともに「骨格」や「筋肉」は弱くなってしまいます。
しかし、高齢になっても筋肉トレーニングを続ける事で骨や筋肉を強くする事が出来ます。
筋肉を強くするには
骨を強くするには
骨には身体内のカルシウムの90%が貯蔵されています。
カルシウムをたくさん摂取しても骨に刺激を加えない限り、
つまり適度な運動を継続的に行っていないと骨の中に吸収されません。
重力に抗した運動によって骨に圧迫刺激を与えられないと、筋力ばかりでなく骨も弱ってしまうのです。
このことは、宇宙飛行士が長期間無重力の宇宙にいると、
カルシウムを摂取していても骨が弱くなってしまう事で証明されています。
寝たきりになってしまった高齢者では、栄養素としてカルシウムを摂取しても、
横になったままで運動刺激を与えないと、骨はどんどん弱くなっていきます。
したがって、身体が動くうちにカルシウムを十分に摂り、
適度な陽にあたり運動を習慣化していくことが丈夫な骨づくりの基本です。